複雑な設計等が建物の管理負担へ

マンション建設は営利目的です。採算性が重要になります。

一般的に、マンションは不動産会社(事業者)が土地を購入(所有)し、そこに建物を建築し分譲することになります。時には事業者は銀行から借り入れを起こし、事業を行うことになります。資料によると不動産業界が毎年借り入れている金額は10年前からほぼ同様で、10兆円です。

事業者としては早く建物を売却し、早く借入金を返済し、早く利益を確定することを目指します。

マンションは利益を得るためには多くの床面積を確保し、多くの戸数を分譲する計画案が求められ、建物の形状や階高が決定されていきます。

売りやすい建物の設計=素人受けするもの=(外観タイル張り+凸凹のある形+複雑な手摺りなど)、結果的に複雑な配管となり、排水不良、屋上の雨漏りなどの原因になります。

施工面においては、複雑な設計であるが故工期が延びることになり、事業者は分譲を急ぐことから当然工事の内容にしわ寄せ生じ、養生期間不足など、その後のタイル剥落や雨漏りなどの原因に繋がります。

単なる劣化によるものか?建物の特徴からきたものか?といったことを踏まえた上で、個別の事象に対応する必要があります。

単に事象だけをとらえて補修しても意味はありません。根本な原因について対処することがポイントです。

2021年3月29日 | カテゴリー : コラム | 投稿者 : タカダ都市設計